発達障害があるということは、親からの愛情がしっかり注がれていても愛着形成の遅れが生じやすいということです。
脳みそラクラクセラピー/著・愛甲修子
本の帯には「発達援助」という視点や、「発達凸凹の人たちが健康な生活を送るため今日からでもできる取り組み、資質を見つけ開花させる」とあります。
今日からでも取り組めることがあるなんて魅力的ですよね。
脳みそラクラクセラピー/著・愛甲修子
脳みそラクラクセラピー/著・愛甲修子
著者は、児童相談所、保健所、知的障害者更生施設など、教育、福祉、医療の現場で働いてきた臨床心理士。
他に「愛着障害は治りますか?」「知的障害は治りますか?」などがある。
本で学べること!
- 発達障害に手遅れはない
- 今、この時からでも心身、ラクになる方法がある。
- 発達援助を知る
本で脳みそがラクになる発達援助を知る
- 納得できる伝え方の工夫が大事P74
- やらなきゃいけないことをやらない子への対処P81
- パニックを起こす子への対処P82
- お金の価値を教えるP94
- 親でも(親だから)できる「資質の見抜き方」P110
- 資質を開花させるためにこそ、療育のメニュー化を避けるP124
- 弱みを強みに変えてゆく
- 五感トレーニングP135
- エネルギー切れにどう対処するかP138
- 愛着の形成と社会ルールP167
- 誰かと「仲良しになる」と「未来への希望」が出てくるP215
実際に五感トレーニングを実践してみた
我が家では、アロマ(匂い)と身体をほぐすなどのストレッチを中心にやってきて、すでに効果を感じていました。本を読んでなぜ、それが良かったのか腑に落ちました。愛甲さんによれば、「整体、カイロプラクティック」など、身体に直接働きかけるのも良いとありましたのでぜひ。
五感トレーニングを実践するときの注意点
「無理強いをしない」です。心地よさを探すことが、発達を促すコツです。
本がオススメの人!
- 発達障害のある子(人)の行動に悩んでいる親、支援者
- 知的障害、発達凸凹、発達障害のある当事者
「脳みそラクラクセラピー」を読んで思ったこと
問題行動が出たとき、叱責を繰り返し、押さえこもうとする大人が大多数です。でも、脳みそラクラクセラピーで、改めて強みに変えてゆけるのだ、と学びました。工夫しチャンスに切り替えられたことが、私と娘との親子関係にとっては大きな成果につながっています。
問題行動を怖がって何もせず押さえつける、「周囲の理解がない」と言ってしまうだけでは根本的な解決にはつながりません。本を読んで改めて考えさせられました。
楽しいことの後に荒れる発達凸凹っ子
浅見:楽しいことがあった後に荒れる自閉症の人はたくさん会ったので
愛甲:身体と心ってつながっているので、薬と同じように副作用とか反動のようなものが出ることがあるんです。でもだんだんとよくなります。
脳みそラクラクセラピー/著・愛甲修子
本人の楽しいことを増やしても怒りのコントロールが効かず、発達障害だから仕方がないと思っていた時期が私にもありました。そして、それは「周囲の理解が足りない」と言ってしまいがちなのです。
以前から、そういう行為に「周囲の理解」を持ち出してしまうことに違和感がありました。どうしても腑に落ちない場面が、日常生活では出てくるのです。どう自身に落とし込んで、親子の学びを増やせばいいのか?と考えを巡らせていました。本では、丁寧な理解につなげる為に、真摯な質問をぶつけるシーンがよく出てきます。
そして「発達を取り戻すとは(P188)」では、編集者の浅見さんが要約してくれたことで理解が深まりました。きっと同じような疑問を持っている人は多いのではないか?と思います。
役に立つ支援もそうでない支援もあるけれども、役に立つ支援を提供している専門家の皆さんも説明が少なすぎることが多いです。
脳みそラクラクセラピー/聞き手・浅見
引用そのものが腑に落ちます。そういうところへの説明や答えがあれば、親も周囲の理解だけにこだわらず、解決策を練るための行動をもっと起こせるような気がします。読んで欲しい一冊です。
情動の共有
愛甲修子さんがかかわった問題行動のある子(情動共有の難しい子)が、二者関係がしっかり構築されたあとで、三者関係が作られ、反社会的行動が消失し社会参加へ移っていった経緯の話しは大きなヒントになりました。
問題行動でお悩みの方は、ぜひ読まれて下さいね。
- 家の障子に杙にライターで火をつけて燃やす
- きょうだいの貯金や財布からお金をとって買い物をする
- 近所の人に「100円ちょうだい」と金をねだり、くれないと「バカヤロー」など暴言を吐く
そうです。でもよく見て下さい。これはすべてひとり遊びなんですね。
脳みそラクラクセラピー/著・愛甲修子
脳みそラクラクセラピー/著・愛甲修子
著者は、児童相談所、保健所、知的障害者更生施設など、教育、福祉、医療の現場で働いてきた臨床心理士。
他に「愛着障害は治りますか?」「知的障害は治りますか?」などがある。