トラブルに遭ってもなかなか相談しない知的障害のある人たち。
特に、軽度の知的障害のある人のお金にまつわるトラブルは、生活の身近なトラブルや詐欺に加担してまうなどの事件まで、本当にあっという間に巻き込まれてしまったものが大半です。
この記事では知的障害のある人の消費トラブルについてお伝えします。
どんなトラブルに巻き込まれやすいのでしょう?
知的障害のある人は、日常生活の身近な金銭トラブルに巻き込まれやすい傾向にあります。知的障害とは、認知(物事を正しく理解・判断し、適切に実行する)に困難さがある状態なのです。
企業は、どうやって売り上げを伸ばすか?(言い換えれば「個人にどう消費させるか?」)に焦点を置くため、どうしても知的障害のある人にとっては、不利な面があります。そのことをぜひ押さえておきましょう。
消費者庁が把握している知的障害のある人の消費トラブル
2018年に消費者庁は、障害者の消費者トラブル実態調査を行いました。そして、2020年(令和2)6月には、障がい者の消費行動と消費者トラブル 啓発出前講座実践事例集を公表しています。
【ヒアリング調査】消費者トラブルのポイント
下記引用は、ヒアリング調査で得られた消費者トラブルのポイントの一部抜粋です。詳細は事例集をご覧になりながら確認下さい。
(本事例集における消費者トラブルのポイント)
障がい者の消費行動と消費者トラブル事例集/令和元年5月17日 消費者庁 (一部抜粋)
- 人を信じやすい、疑うことを知らないことが影響していると考えられる事例があった。(知的障がい者の事例②(事例集21~24ページ)など参照)
- そもそも典型的な消費者トラブルや詐欺の手口等への知識が不足していること、過去の経験を目の前の事態に関連付けたり、応用したりすることが苦手で、繰り返し同じようなトラブルに遭いやすいことも推察された。(知的障がい者の事例④(事例集29~32ページ)など参照)
- 事例提供者が、自身のトラブルを「消費者トラブル」ではなく、単に「困ったこと」などと認識し、どこにも相談せず、今回の調査で初めて消費者トラブルとして表面化 した事例があった。(身体障がい者の事例③(事例集65~68ページ)など参照)
NGワードを確認しましょう
知的障害のある人がトラブルに巻き込まれた時、みなさんはどんな声かけをしてますか?
日頃から叱責されることが多いと認知機能が低下し、トラブルの背景を知る手立て(聞き取り)が上手くいかないなど情報が得られません。NGワードを確認し、トラブルの背景を知る手立てを失わないよう日頃から配慮を心掛けて下さい。
下記引用は、高齢者・障がい者の消費者トラブル見守りガイドブックからのNGワード一部抜粋です。知的障害のある人のご家族は、ご確認下さい。
高齢者・障がい者の消費者トラブル見守りガイドブック
- 本人の意識に関すること
- 何で信用したんですか?
- 契約に関すること
- 何で契約しちゃったの!
- あなたにも契約した責任がありますね。
- 契約書をきちんと読まなかったのですか?
- その他
- どうして気が付かなかったのですか?
- 何で黙っていたのですか?
ゲームで学ぶ!消費トラブル
消費者庁の消費者教育ポータルサイトでは、消費トラブルを学ぶ教材がUPされています。とても面白い学び方なので、知的障害のある人とご家族などでぜひ、やってみて下さい。
消費トラブル疑似体験・回避ゲーム3選!!
消費者トラブル回避シミュレーションゲーム。
6事例を設定:■マルチ商法■エステ体験■情報商材■お試し購入■くらしのレスキューサービス■あやしいバイトサイト
すごろくゲーム式の人生ゲーム(人生を疑似体験することができる消費者教育・金融保険教育教材)
漫画版啓発資料 ~消費者トラブル事件簿~
漫画形式で消費者被害に遭わないポイントを紹介
小、中学生対象の学びツールもぜひ、参考にされて下さい。